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第14話 金を払っても、船は来ない

last update publish date: 2026-09-23 10:52:16

第14話 金を払っても、船は来ない

六月二十四日、午前五時五十八分。

橘宗一郎が目を覚ましたとき、長野の空はまだ薄暗かった。

窓の外では霧が低く垂れ込め、濡れた地面の上を白い靄が這っている。数日前まで積もっていた雪はほとんど姿を消していたが、気温は七度しかなく、六月の朝としては相変わらず冷たい。

それでも宗一郎は、久しぶりに三時間以上続けて眠ることができた。

身体の疲れが取れたとは言い難い。

ただ、起きた瞬間に自分がどこにいるか分かるだけでも、昨日までよりましだった。

枕元のスマートフォンを取る。

通知は二十七件。

そのうち十五件が政府関係。

六件が国際研究チーム。

三件がグレイ。

二件が美咲。

そして一件が重雄だった。

まず重雄。

《朝飯ある。

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